OTTAVA Caffè Selection 18
今回は、新世界クラシックをご紹介します。
ワインブームから10数年経ちましたが、振り返ると大ブームの牽引役は高価なワインではなく、南米チリの赤ワインだった事は記憶に残っていることと思われます。日本人の味覚にマッチし、手軽に買えるといった利便性も手伝って、「チリワイン」は数多くの「自称ワイン通」を、日本に誕生させました。このチリワインを含め、中南米、アフリカ、オセアニアなどで作られるワインは「新世界ワイン」と呼ばれていて、未知の可能性と将来性とを感じさせる表現とも言えます。欧米で培われた技術と人材が「新世界」に続々と導入され、本場を「旧世界」に追いやる可能性のある作品が、次々と生産されつつあります。
実は、クラシック音楽業界にも同じような流れが生まれつつあり、こちらも「新世界モノ」の時代が訪れようとしています。ベルリンフィルにおける中南米出身メンバーの多さを見ても明らかなように、演奏家の世界では中南米出身のプレーヤーが、すでに20世紀後半から欧米の音楽界を席巻してきました。今、そのトレンドは作曲家や作品自体にも及び、アルゼンチンのアストル・ピアソラは、欧米では最も人気のある現代の作曲家となっています。
そして、OTTAVAでは、こうした「新世界クラシック」の動きに着目し、まずはブラジルやアルゼンチンなどの中南米出身の音楽家とその作品をクラシックのニューウェーブとしてフィーチャーします。また、今週1週間、新世界クラシックの楽曲で構成される番組をCaffè rossoとCaffè verdeで展開します。皆さんもクラシックの新しい潮流に触れてみませんか?今回のCaffè Selectionは、今日のCaffè rossoから。
それでは、今回のOTTAVA Caffè Selectionをお楽しみ下さい。
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